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2023.4.13

6.基本的な相続手続きの流れ

6.基本的な相続手続きの流れ

相続手続きの基本的な流れは「遺言書の有無(及び遺言執行者の存否)」によって大きく異なりますが、

「遺言書が存在しない場合」の基本的な手続きの流れは、

 

①遺言の存否確認(※ないことの調査)
  ▼
②法定相続人の確定(戸籍謄本等収集)
  ▼
③相続財産の調査・棚卸し(必要に応じて残高証明書の取得及び相続財産目録の作成と相続人間での共有)
  ▼
④遺産分割協議の実施及び遺産分割協議書への署名捺印(各相続人の印鑑証明書添付)
  ▼
⑤協議内容に基づいた相続財産の承継手続き

 

となります。

 

<もっと詳しく!>

 

●はじめに

相続手続きとは、亡くなられた方の遺産をどうするかを決める手続きです。銀行に預けている預貯金や、土地・家屋などの不動産、株式、保険も遺産と扱われます。亡くなられた方の遺産について、相続人が受け取ることができるようになるまでにどのような手順で進めていくべきなのかを詳しく見ていきましょう。

 

① 遺言の存否確認

相続手続きは遺言の有無によって流れが変わります。まず初めに遺言の存否確認を行うことをお勧めします。

公正証書遺言であれば、原本は必ず公証役場に保管されています。平成元年(1989年)以降に作成された公正証書遺言であれば、全国どこで作成していたとしても最寄りの公証役場で検索することができます。

また、自筆証書遺言についても令和2年7月から遺言書保管所(法務局)にて保管制度が始まりました。こちらも同様に、どこに保管していたとしても最寄りの遺言書保管所で検索することができます。

どちらの方法にしても、検索をお願いするには自分が相続人であると証明しなければならないため、後述する②と同時進行すると良いでしょう。

 

注意点:遺言書保管所に保管していない自筆証書遺言は、ご自宅の金庫や、大切なものをしまっているところに保管されている可能性があります。思い当たる箇所がある場合は確認してみてください。

(参考条文 法務局における遺言書の保管等に関する法律第2条、第9条、第10条)

 

② 法定相続人の確定

法定相続人は、戸籍(以後、亡くなられた方の改製原戸籍や除籍謄本、相続人の戸籍一切を含みます。)を集めることで確定させることができます。亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を集め、配偶者がいるか、お子さんがいるか、お子さんがいなければ親は存命か、親が亡くなられていたら兄弟姉妹はいるか、兄弟姉妹が亡くなられていたら甥姪はいるか、というように、相続人を確定させていきます。

遺言がない場合は、相続人全員で話し合って遺産の分け方を決めなければならないため、必ず法定相続人を確定させる必要があります。

遺言がある場合は、一般的に遺言による相続手続きにおいては遺言書と亡くなられた方の最後の戸籍があれば手続を進められます。

最近では、多くの場合、遺言執行者という遺言の内容を実現させるための役割を担う人が遺言で指定されています。遺言執行者が選任された場合は、法定相続人に対し「遺言者が亡くなりました。遺言があって、私は遺言執行者に就任します。」という旨の通知書を送らなければなりません。そのため、遺言がある場合でも、法定相続人を確定させる必要があるのです。

 

注意点:被相続人の出生から死亡までの除籍謄本を集めるときには、本籍を置いていた場所にも請求する必要があります。例えば、亡くなられた時点では東京にお住いの場合でも、本籍は北海道にあり、さらにその前は大阪に本籍を置いていたとなると、北海道と大阪の両方に請求する必要があることになります。現時点では別の管轄の役所では取得することができませんので、どこの役所が管轄なのかを調べ、訪問もしくは郵送で請求しなければなりません。

(参考条文 民法第887条、第889条、第890条、第1007条、第907条)

 

③ 相続財産の調査

亡くなられた方の遺産について全てを把握する必要があります。預貯金については通帳や証書で確認ができるでしょう。不動産についてはいわゆる登記済み権利証や市区町村の納税通知書で確認することもできますが、該当所在地の管轄の役所の税務課や市税事務所に土地・建物の名寄帳の発行を依頼すると漏れが無く安心です。株式や生命保険については、預金通帳の取引履歴で確認できる会社や、亡くなられた方のご自宅に届く郵送物から問い合わせてみるか、生命保険については不動産と同じように名寄帳のような調査方法もあります。いずれにしても調査に時間がかかる場合もあるため、お早めに問い合わせすることをお勧めします。

 

注意点:亡くなられた方の遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」よりも多い場合、相続税申告が必要となります。相続税申告は亡くなられた日から10カ月以内と期限が定められているため、法定相続人の確定と遺産の調査は迅速に行うことが必要です。

(参考条文 相続税法第15条、第27条、第33条)

 

④ 遺産分割協議の実施及び遺産分割協議書への署名捺印

亡くなられた方の遺産が全て把握できたら、誰が何をもらうのかを話し合って決めていくことになります。法定相続分は定められていますが、当人同士で話し合って決めたことであれば、法定相続分より多くても少なくても問題ありません。

遺産分割協議書を作成し、相続人全員で署名・捺印をします。このときの印鑑は実印を使用し、別途印鑑証明書を添付する必要があります。印鑑証明書を添付することで、間違いなく相続人本人が協議に参加したと認めてもらえるのです。

 

注意点:遺言があって遺言に沿って手続きを進める場合や、法定相続人が1人しかいない場合は協議することがありませんので、遺産分割協議書は不要となります。

(参考条文 民法第900条)

 

⑤ 協議内容に基づいた相続財産の承継手続き

遺産分割協議書に相続人全員の署名・捺印をもらえたら、協議内容に沿って各手続きを進めることができます。

一般的に遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書、必要な戸籍の提出を求められるので揃っているか確認して提出するようにしましょう。

 

 

●終わりに

相続が発生してからすべての相続手続きを終えるまでには長い時間がかかります。

戸籍の収集から遺産分割協議書の作成、預貯金の解約、不動産登記、相続税の申告などご自身でやろうと思うと時間も気力・労力も要することになります。

手続先が複数の場合や、平日に時間が取れない方は、専門家に依頼することでスムーズに手続きを進めることができます。

一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

 

 

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